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アルツハイマーエデュケーションセミナー2006

認知症介護 - その最新のアプローチ -

講師
講師 : ボブ・プライス氏 総合コーディネーター兼通訳 : グリーンナップ・千鶴氏
日程
2006年6月24日
時間
9:30~17:00 セミナーおよび講演
会場
費用
30,000円
定員
50名
アルツハイマーエデュケーションセミナー2006 アルツハイマーエデュケーションセミナー2006

■ 概要

我が国では、要介護高齢者のほぼ半数、施設入居者の約8割が何らかの介護・支援を必要とする認知症高齢者であるとの調査結果があるにも関わらず、認知症高齢者ケアは未だ発展途上で標準化や確立にはさらに時間が必要であると言われています。.
 
介護保険制度の導入から6年が経ち、はじめてとなる今回の法改正では、身体ケアと比べ精神的なケアが相当に遅れているという国の現状認識の現れとして「認知症ケアの確立」と言う基本的な視点が前面に打ち出されました。
 平成12年版厚生白書に、「オーストラリアの高齢者介護には、専門的な研究成果を活かした認知症高齢者の処遇など注目すべき点も多く、・・・」と紹介されているとおり、オーストラリアでは古くからエビデンスと評価に基づく系統だった認知症高齢者ケアが行われています。
そのオーストラリアにおける標準的な認知症高齢者ケアの確立に寄与した功績者として知られるボブ・プライス氏を講師として日本に招き、認知症高齢者ケアの最新のアプローチをご紹介致します。.
 
「介護者が認知症高齢者の内的社会を理解し、適切なケアやニーズが満たされた専門的な認知症高齢者ケア施設であれば、問題行動なども減少し、最小の介護者数で施設運営ができる」というボブ氏の言葉に表されるとおり、、彼自らが考案した認知症ケアのプログラム及びアクティビティは、オーストラリア全土で大きな反響を呼んでいます。
 本セミナーは、精通した通訳者を介し、ビデオやスライドを効果的に用いて行いますので、必ずそのエッセンスを習得いただけるものと存じております。.


■ 認知症高齢者の特別なニーズと問題

第5回目を迎えたアルツハイマーエデュケーションセミナーですが、認知症の方の考え方や行動がセミナーを通して理解することができてきました。
 今回のセミナーで得た考え方や行動を理解したうえで、「認知症対応型高齢者施設」の設計に結びつけることができないでしょうか・・・。簡単にまとめて見たいと思います。
まずは、認知症高齢者の特徴です。.
 
1.環境刺激に対する反応の遅さ
2.環境からの情報の解釈が困難
3.散漫な注意力
4. 計画能力の欠如
5.集中時間の短さ
6.内省の欠如/社会的に適切な態度の欠如
7.聴覚刺激に対する意味付け能力の欠如
8.高齢による視力障害
9.視野を細かく調べる能力の欠如
10.衛生面での機能低下
11.物体や手がかりの誤った解釈
12.道具や物体を正しく使うことができない
13.大切な人々の認知ができない
14.選択ができない
15.慢性の疲労感.
 
こうした行動や考え方があるため、設計やデザインにも注意が必要となってくる。例えば、.
 
・ 空間計画
・ 空間の関係づけ
 ・ 手がかりとヒント
 ・ 色
・ 家具
・ 布地
・ 床(敷物など)
・ 壁の仕上げと処理
・ 照明
・ バスルーム(トイレ、洗面台、シャワー)
・ 屋外/庭.
 
所にである。セミナーの配布資料のなかで、ボブ氏が考える設計の主なポイントが紹介されていましたので箇条書き致します。是非、参考にしてみて下さい。.
 
■ スペシャルケアの設計

1.気を散らすものを最小限に抑える
2.人の通行を最小限に抑える
3.無意味な騒音を最小限に抑える
4.通常の家庭でのアクティビティの機会を提供する
5.家庭的で馴染み深く、親しみのもてる雰囲気を作る
6.出入り口を出来るだけ少なくする
7.居間と食堂を廊下などで隔てずに続きスペースにする
8.共同スペースからはっきりとみえるところにトイレを設け、トイレであることが明確にわかるようにする
9.建物の一部にプライバシーが保てるようなスペースを設ける
10.囲まれた平坦な庭、その庭への明確な方向付けを行う
11.業者(外部の人間)の出入りする領域を分ける
12.人の出入りが見えないように出入り口を目立たなくする.
 
■ セミナー後のアンケートより

Q1:このセミナーは参考になりましたか。
A1-1:大変参考になった ・・・ 30/31
 A1-2:一部参考になった ・・・ 1/31
 A1-3:参考にならなかった ・・・ 0/31.
 
 Q2:参考になったことをお聞かせ下さい
A2:回答内容抜粋
・ 個別のケアの大切さが改めて理解できました
 ・ 負の引き金が何なのか考えていきたい
 ・ アクティビティの真の意味が理解できました
 ・ 自分が勤めている施設は管理者施設型であり、自分的にもストレスを感じたり、利用者さんを見ていると辛い気持ちになることが会ったのですが、この講演で救われた気持ちになりました。.
 

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